SFC AO入試 対策ガイド

慶應SFCの志望理由書に「立派な社会問題」は不要。自分だけの研究テーマを見つける3ステップと思考の罠

7分で読めます監修:佐藤颯太

SFCのAO入試において、最も重要かつ受験生が最初につまずくのが「研究テーマの設定」です。

「社会に貢献する立派なテーマでなければ合格できない」と思い込み、ネットで見つけたSDGsや環境問題をそのままテーマにしてしまう受験生が後を絶ちません。しかし、それは確実に不合格へと向かう「思考の罠」です。本記事では、SFCの教授陣が本当に求めている「あなただけの研究テーマ」を掘り起こすステップを解説します。

1. 面接官は「借り物のテーマ」を1秒で見抜く

SFCの教授陣は、毎年何千枚もの志望理由書を読み、数え切れないほどの受験生と面接をしています。「海洋プラスチック問題を解決したい」「途上国の教育格差をなくしたい」といったテーマは、一見立派ですが、本人の強烈な原体験(なぜあなたがそれをやるのか?)が伴っていなければ、「どこかで聞いたような借り物の言葉」として一瞬で見抜かれます。

2. 「好き」や「違和感」を学問に接続する

SFCが求めているのは、世界を救う壮大な目標ではなく、「あなた自身が心の底から熱狂できるもの」や「日常で強く感じる違和感」です。アニメが好き、ゲームが好き、特定のスポーツが好き。そうした「偏愛」や「個人的な悩み」を起点とし、そこに「学問的なアプローチ」を掛け合わせることで、誰にも真似できない最強の研究テーマが生まれます。

3. 研究テーマを見つける3つのステップ

  • ステップ1(原体験の棚卸し): 幼少期から現在まで、自分が時間を忘れて没頭したこと、悔しかったこと、疑問に思ったことをすべて書き出す。
  • ステップ2(課題の言語化): その中で「もっとこうなればいいのに」という不満や課題を見つける。
  • ステップ3(SFCの学問との接続): その課題を解決するために、SFCのどの教授の下で、どんなテクノロジーやデザイン、社会学の手法を学ぶ必要があるかを結びつける。

【実録】「SDGsの罠」から抜け出し、ニッチな偏愛でSFCを射止めた軌跡

ここで、見栄えの良い「借り物のテーマ」で行き詰まっていたIさんが、佐藤塾の1on1を通じて自分の「偏愛」に目覚め、AO合格を勝ち取ったケーススタディをご紹介します。

Iさんは入塾当初、「海洋プラスチックゴミの削減による海洋生態系の保全」というテーマを掲げていました。しかし、彼女自身は海沿いに住んでいるわけでもなく、海洋生物に特別な思い入れもありませんでした。AI壁打ちで「なぜあなたがそれを解決したいのですか?」と問われても、ネットの受け売りのような言葉しか出てこない状態でした。

塾長からの問い(1on1面談)

「Iさん、海洋プラ問題の志望理由書、なんだかIさんの"体温"を感じないんだよね。無理して『いいこと』を書こうとしてない? 一旦SDGsは忘れて、Iさんが休日にお金と時間を一番使っている趣味って何?」

Iさんの気づき

「えっ…休日はずっと古着屋を巡っています。買った古着を自分でミシンでリメイクして、フリマアプリで売ったりするのが大好きで…。でも、そんなのただの趣味だし、大学の志望理由にはならないですよね?」

「偏愛」から唯一無二の研究テーマへ

「いや、それこそが最強の武器だよ! アパレル産業の大量廃棄は深刻な社会問題だ。Iさんの『古着リメイク』の技術と熱量に、SFCで学べる『プラットフォーム構築(IT)』や『ビジネスモデル設計』を掛け合わせたら、『Z世代向けの古着アップサイクル循環システム』という立派な研究テーマになるよ!」

自分の言葉で語れるから、面接でも無双できる

大好きな「古着」をテーマにした途端、Iさんのタイピングは止まらなくなりました。AI壁打ち相手にも「実際のリメイク市場の課題」を熱く語るようになり、志望理由書の質が劇的に向上。面接でも教授と古着ビジネスの展望で大盛り上がりし、見事合格を勝ち取りました。

塾長 佐藤颯太

この記事を書いた人

塾長 佐藤颯太

慶應SFC専門塾「佐藤塾」塾長。2人に1人が合格する独自の「AI伴走指導」を確立。 単なる受験テクニックではなく、生徒一人ひとりの「未来へのオーナーシップ」を引き出す教育を信条とする。